初めての遠出(中編)
自転車で旅に出ると決めた翌日。通学時とほぼ変わらない貧弱な装備で、朝6時に集合した。
同じクラスの男子3人と隣の高校の友達、計4人。
通学にチャリ使ってないからお母さんの借りてきたやつがいて衝撃的だった。
記憶が正しければ、俺ジーパン履いてたと思う。
まじなめてる。ソウルソサエティー。(※前編参照)
4号線沿いに集合して最初の会話。
もう10年経った今もはっきり、覚えている。
「じゃあ、東京いくか〜」
「え??青森じゃねえの?」
なんで一番大事なとこ意識ずれてんだよwwwwww
皆とりあえず遠くいくって事しか考えてなかった。
結局、青森を目指すことになった。
覚えてないけど多分夏だったし、暑いから北のほうがいいんじゃね?みたいになったんだと思う。
超テキトーだけどそのノリがとてもたのしかった。
こうして「なんとなく」北に走り出した。
ただただまっすぐ。。。。。
まっすぐ。。。
ひたすら。
いつも自転車で通っている道から、
普段車でしかいかない所を越えて
知らない所まできた。
途中湧き水を飲んだ気がする。
そう思って4号線沿いの湧き水調べたらあった。多分これだと思う。
・場 所:宮城県黒川郡富谷町・説 明:大清水の石盥は、昔、奥州街道を行き来した人馬がここで小憩し、清水で喉を潤したといわれる清水の由来を今も静かに物語っています。
いつかまた、いけるといいな。
この日はとても暑かった。熱中症になりそうになってたけど走りつづけた。
ママチャリのカゴに、コンビニで買った1リットルの紙パックの飲み物突っ込んでた。ペットボトルより安いからね紙パック。金持ってないからありがたかった。
水に申し訳程度にオレンジやらレモンの味ついてるやつで味は正直微妙。
暑すぎて汗が滝のようだったから、
3リットル以上は飲んでたと思う。
一人だけ計画的に物事を考えられるやつがいたんだけど、こいつがとんでもない提案をしてきた。
「このペースだと間に合わないから、これから一時間会話なしね」
こいついかれてやがる。。。。超クレイジー。
炎天下でしかも重いママチャリでなんとか進めて来れたのは楽しい会話があったからだったんだと思う。
それを断つなんて、、、ただの苦行じゃん、、、、、
暑いときに「暑いね〜」って言って「そうだね〜」って返してもらえない。
「ちょっと疲れたから休憩しよう」そんな言葉も発することができない。
面白いもの見つけても無言。おいていかれそうになっても無言。
無言無言無言無言無言。
すぐ脇を通る車の音と、キィキィ言ってるチャリの音しか聞こえない。
皆涙目になりながらチャリ漕ぎまくった。
喋ったら罰ゲームとか、そんなの決めてなかったけど皆しっかりルール守ってるのが面白い。
とてもとても辛かったんだけど、
いい感じにスピードが出て、栗原に突入することができた。
出発地から約50kmの位置。
KURIHARA!!!
栗原、、、、、まじなげえ。
進んでも進んでも栗原。
ずっと栗原。
手前までは進むたびに色々地名がかわって面白かったんだけど、ここはずーっと栗原。進めど進めど栗原。まじ栗原。信じられないくらい栗原。栗原ェ、、、
(続く)