チャリンカーふじわら

好きなことたくさん書くよ

初めての遠出(帰路編)


帰るまでが遠足ですよ(^ω^) 




チャリ旅は、まだまだ続く!!


岩手を出発したのが、18時くらいだと思う。
朝6時に宮城を出発したから、約12時間が経過していた。

だんだんと、周りが暗くなってきている。

今なら間違いなく泊まるとか、電車で帰るという選択をすると思う。
電車とか新幹線にチャリ載せるのは実は認められている。輪行袋っていうのに入れなくてはいけないけど。
ロードバイクだとホイールが簡単に外せられて、比較的コンパクトにまとめて輪行袋に詰められる。しかも軽いから持ちやすい。

まぁ俺らママチャリだから無理だけど笑

電車内に丸裸のチャリ四台並べて帰るとか、考えるだけでシュール。まず改札越えられないし、そもそも帰りの電車代ないから絶対無理。


もちろん宿泊も無理。



我々に残された選択肢は、この4つ。
①河原で野宿
③親呼んで迎えに来てもらう
④自転車で帰る

①は、夏ということもあり、夜も暖かいだろうから、ありかも。と、考えた。でも、お金ないから満足に飯が食えないし、体力の回復は見込めない。却下。

②は、お金のないバカでかわいそうな高校生だし、情に訴えればノリの良いドライバーなら乗せてくれるのではないかと考えた。
だけど、後から取りに行くとか絶対嫌だし、チャリを捨てなくてはならない。
毎日毎日学校行くのに使っている。毎日10kmくらいチャリこいで通学してたやつもいた。無くなったら通学に支障が出る。親にも怒られるし。
色々理由はあるけど、一番の理由として一緒に県まで越えてきた大切な相棒を手放すわけにはいかない。却下。

③はかっこ悪いし、なんか負けた気がするから却下。


残された選択肢は④しかなかった。



全力でペダルをまわすううううううう。
それだけぇえ!!!


すっかり涼しくなって、とても走りやすくなっていた。
行きよりスイスイ進む。全然違う。
ファミレスで塩なめて、すっかり元気になっていたこともあって、更に加速していった。









しばらく走っていたら、、、
大変なことが起きた。






1人いない。




スイスイ進むもんだから、あまり後ろを確認していなかった。





少し待っていると、手でチャリを引いてるKくんが追いついた。




一旦安心。




どうやらチャリがパンクしたらしい。
あの、お母さんから借りてきてたというチャリ。


だけど、パンク修理の道具なんて持っていない。バカだからパンクするとか思ってない。

どうすることもできなくて、しばらく4人で呆然としてた。パンクしたKくんは涙目。



いつの間にか23時をまわっていて、辺りは真っ暗。
しかもちょうど山の中。

民家もなく、頼れるところが全くない。
仕方なく、K君にはパンクした状態でしばらく走り続けて貰った。
凄くガタガタいってた。


さすがに親を呼ぼうかとも思ったけれど、そのまま進んだ。



少し進んだところで、コンビニを見つけた。


入って、恐る恐る店員に聞いた。


「自転車の、、、、空気入れってありますか、、、?」



わかってたけど。
あるわけない笑


店員さんイライラしてた。
深夜のコンビニバイトって、機嫌が悪い人多いよね。
品出し?が忙しいだろうし、夜中に訳のわからないこと言われたらそうもなるよね。


どうしようもなくて、色々考えた。
パンクしたところにガムくっつけて直すとか笑


ダメ元でゴキジェット的な虫退治のスプレー買って、空気入れようとしたけど、もちろんダメ。
貴重なお金を無駄にしてしまって、ひどく後悔した。


仕方なく、自転車を手で引いて進みだした。
暗い山の中無言、そして絶望。


俺は、もうそこらへんのチャリをパクろうぜ。っていってた。
でも、Aくんはそんな俺を頑なに止めた。Aくんのお父さんは自転車愛がすごい人で、一台の自転車を長年大切に扱っていた。お金かけて自分好みにカスタマイズしたり。そんなチャリがあるとき盗まれて、すごい悲しい思いをしたらしい。
当時は、なりふりかまってられないと思っていて、Aくんと喧嘩しそうになってた。

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結局盗まずに先に進んだ。
改めておもうと盗まなくて正解だったと思う。
犯罪だしね、自分のチャリ盗まれたら悲しい。




しばらく、自転車を手で押して進んでいった。
精神的にも疲れてきて、道の端に座って休憩した。空を見上げるととても星が綺麗だった。
山の中でしかも天気が良かったから、
星ってこんなにあんの?ってくらいたくさん見えた。感動。


仰向けになってしばらく4人で星見てた。
コンクリートは、硬かったけど気にならないくらい疲弊している。

真っ暗闇の国道の脇で男子高校生が、4人仰向け。しかも満身創痍。
もうね、他人が見かけたら事件か何かだと思うよね。俺だったら通報しかねない。


不安な気持ちはあったけど、星をしばらくみてたらなんとかなる気がしてきた。




また、歩き出す。





もうなんでもいいから希望が欲しかった。真夜中に空いている自転車屋を見つけられるのががベスト。空いてなくてもとりあえずノックしてみようとしてた。

自転車屋がなくてもコンビニあったら空気入れがないか聞いてみるつもりだったし、車のタイヤ屋、バイク屋、でもなんでもいい。乗り物扱ってるところだったら直してもらえる可能性を感じるから突撃することにした。

ただただパンク修理、もしくは空気入れを手に入れて騙し騙しでも進めるようにしたかった。


やみくもに探しまくった。




そして、見つけた。












電気がついてる!!!







しかも、乗り物屋!!!








だけど、俺たちは入るのをためらっていた。








そこは。






ジェットスキー屋だった。



乗り物とはいえ、、、流石に、、、笑
タイヤなんて扱ってないだろうし。




しかも名前がたしかアリゾナ。

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絶対無理だと思ったけれど、他に頼るところも見当たらないし、とりあえずネタになるだろうから勇気を出して店内に入ってみた。



そこには夫婦の方がいた。


事情を話したら、すごくびっくりしていた笑
こんなバカなやつら中々いないもんな笑




なんと、意外にも修理道具を持っており、パンクを直してもらえることになった!!!


おっしゃあああああああああああ!!!



ジェットスキー屋はんぱねえ。。。。
言ってみるもんだわ。。。




店名がアリゾナと言うだけあって、店内にはアリゾナで撮ったと思われる写真いっぱい並んでいた。かっけええwww



男性が修理をしている間、女性がおにぎりをくれた。
ろくに、ごはんをたべていなかったから、とても助かった。
極限状態で食べるおにぎりのうまさと、人の優しさに感動していた。




食べながら休憩していると、男性にとんでもない言葉をかけられた。















「お前らのその目の輝き、童貞か?」







!?







我々4人爆笑







元気な声で
「はい!!!!!!と言った。




目の輝きだけでばれてしまうなんて。。
アリゾナすごい。




童貞だとばれた後、女性の口説き方から下ネタ満載の話をしてもらった気がする。
流石に10年経ってるから内容までは覚えてなかったけど笑

「お前らのその目の輝き、童貞か?」
って言葉については、一字一句間違いないと思う。10年過ぎたけど覚えているくらい衝撃的だった。



いつの間にか修理が終わっていて、また進むことにした。


泊まっていく?と優しい言葉をかけてもらったけれど、何故かカッコつけて断っていた。本当にバカだった。


さようなら、アリゾナ。






アリゾナがまだあるのか気になって検索してみた。
まだあった!!!うれしい!

もっと岩手側にあったと思ったけど、
4号線沿いにあるし、ここなのかな?


あの時のお礼を言いに行きたいけれど、流石に覚えていないだろうなぁ。
でも、中々ないエピソードだと思うから覚えてたりして笑
高校生4人が深夜に泣きそうになりながら、店内に入ってくるとか衝撃的だもんな。


相手が覚えていなくても、
いつか機会があれば行こうと思う。




再び自転車に乗って進みだした。
やっぱ自転車ってはやい!!!!





また、ひたすらペダルを回した。




既に時刻は、午前3時をまわっている。

もう少しで帰れる。。。。



丸一日自転車をこぎ続け、
ごはんも大して食べていないし、
寝てない。



たとえ高校生で体力があるとはいえども、体力の限界だった。


コンビニに寄って、休むことにした。


コンビニの壁にもたれかかったり、
車止めを枕して寝たり。

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田舎のコンビニだから、駐車場が広い。
各々が自由に使って休んだ。

人の目を気にする余裕がないほど疲労困憊だった。
しばらくピクリともしない俺らのことをを店員さんがチラチラ見てる。

ずっと寝ていたかったけど、後少し頑張れば家に着く。
硬いコンクリートの上ではなくて、柔らかいベットの上で眠ることができる。

自分たちを振るい立たせて、走り出した。

もう少しで、昨日の朝に集合した場所に着く。朝日も出てきて、だんだんと明るくなる。

ラストスパート。ひたすらペダルを回し続ける。

最後が一番きつかったかもしれない。
走っているときの記憶も曖昧にしか残っていない。

お互いに話しかけても話しかけられても
「うん。」とか「あぁ」って返すだけ。
もう頭も回ってない。やばい。





ふらふらになりながら、やっとの思いで、集合した場所に戻ってくることができた。


やっと着いたよ。。。。。。。
時刻は朝6時過ぎ。
出発してから約24時間が経過していた。

疲れすぎて笑顔もない。
けど、mixiで自慢できると思ったら少し元気が出た。

「お疲れ!、頑張ったよ俺ら」っていって驚くほどアッサリと解散した。


自分の家に着いて、玄関を開けた。
自分の部屋までたどりつけず、そのまま和室に倒れこんだ。
畳ってさ、凄く柔らかいし、
あったかいんだよ。
コンクリートの上で少し寝た後だったから、畳の優しさを感じていた。
そのまま気絶して15、6時間は目を覚まさなかった。




こうして、初めての遠出を終えた。







たった1日だったのに色々なことがありすぎて1週間くらいに感じられた遠出だった。
特に、岩手に着いた時の感動は二度と忘れられない。

この思い出がずっと頭の中に残っていたからこそ、10年経った今、ロードバイクを買って遠出をするようになったんだ。



最近はどうしようもないくらい仕事が忙しくて元気がなくなっていたけど、息抜きにこのブログを書いて、高校時代を思い出したら元気が出た。

あの時みたいにがむしゃらに頑張ろうと思うよ。